生産スケールと単位エタノールあたりの投入エネルギー(コスト)の関係

 生産スケールを大きくすれば、単位エタノールの生産に必要なコストとエネルギーは節減できるが(緑線)、原料の収集・輸送に要するコスト(青線)は増大する。このため、トータルコスト(赤線)はある生産スケールにおいて最少となる。サトウキビやトウモロコシを原料とする場合(A)に比べて、稲ワラなどのリグノセルロースを原料とする場合(B)、前処理と糖化の工程が複雑になるため、生産コストは上昇する(B緑線)。また、単位耕作面積当たり得られる炭水化物量も少なくなるため(サトウキビやトウモロコシの1/3程度しかない)、輸送コストも増大する(B青線)。このため、最適なスケールで生産したとしてもトータルコストはサトウキビやトウモロコシよりも著しく上昇する(B赤線)。
従って、稲ワラなどのリグノセルロースを原料としてエタノールを生産する場合、原料の輸送コストの低減の(青線の傾きを小さくする)努力も必要だが、バイオマスの輸送距離を最小限にでき、かつ、多品種のバイオマスに柔軟に対応するためには、小規模生産であっても生産に要するコストとエネルギーが大きくならない生産システム(Cの緑線)が必要である。